2004年10月26日

中越地震と上越新幹線

現地ほどではありませんが、東京でも大きく揺れました。
10月23日の中越地震の被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げます。
道のりは険しいとは存じますが、一日も早い復興をお祈りいたします。

さて、その地震で脱線してしまった上越新幹線については様々な報道がなされているが、
その中でワタシの中で違和感のあった部分について一言二言。●脱線を防ぐことは出来なかったのか?

無理、ゼッタイ無理。
地震発生時の新幹線の非常停止のシステムは大雑把に言うと、
振動は小さいが伝わるのが早いP波を察知した時点で非常ブレーキを自動的に掛け、
遅れて来る大きな波であるS波の到着までに減速・停止するというものである。
脱線した〈とき325号〉の場合は丁度震源のほぼ真上だったためP波とS波のタイムラグがなく、
ブレーキが間に合わなかったものと思われる。
1輌数十トンの列車が200km/hを超える速度から減速すること自体時間が掛かるわけで、
これ以上を求めるのは地震を予知しろと言っているようなもの。
最善を尽くしているJRにはちょっと可哀想だ。
ていうか、そもそも線路がグニャリと大きく曲がっちゃってるんだから、
どう考えても脱線は免れないでしょ。
映像がショッキングでマスコミ的に叩き易いのは判るけど、
これを論じるヒマがあったら、被災者支援に必要な情報を少しでも多く伝えて欲しい。
もちろん、新幹線に開業以来40年間の実績があっても安全に「絶対」はないわけで、
これを戒める報道は当然あってしかるべきだと思うが、
それは被災者支援が一息ついた後でも十分間に合う。

●旧型の車輌だったから転覆を免れたのか。

脱線した〈とき325号〉の車輌は200系という国鉄時代製造の旧型車で、最新型よりも重量がある。
報道によると、JR東日本はこの旧型車が重さのおかげで跳ねることがなく、
幸運にも転覆という大惨事を免れたという見方をしているとの事。
専門家の言う事だから正しいとは思うのだが、ワタシはいくつかの疑問が浮かんでいる。
まず、重量が大きいということは慣性も大きいということである。
つまり、重い車輌は停止まで時間が掛かる。対向列車との衝突リスクはむしろ高い。
さらに言えば、より高速で走行する新型車(E2系)は振動を抑える必要から、
旧型車に比べて重心はかなり低く設計しているのではなかろうか。
重心が低ければ跳ねても転覆はしにくいわけで。
事実、クーラーなど重量の嵩む機器は床下に全て収めている。
毎日新聞などは「軽量化に危うさ潜む」と報じているが、
「軽いから危ない」というのは短絡的に過ぎるのではないか。
「軽量かつ堅牢な車体」の研究という視点もあって良い。

とはいえ、新型車もパンタグラフ付きの車輌は
防音カバーの分だけ重心は上がっているので、
案外旧型車と大差ないのかもしれない。
重心で言えば、E1・E4系といった二階建て新幹線なんか
旧型車なんかよりもずっと高そうだし(その分重量もかなりあるのだが)。

件のJR関係者の発言については、
コンピュータによるシミュレーションを行なうなど、
この点に関してもきちんと精査した上でのものかどうかはわからない。ただ一つ言えるのは、
対向列車がいなかった事、現場が直線だったことなど、
今回死者が発生しなかったのは幸運以外の何物でもなかったということだ。
200km/h以上で走っている以上「100%の安全」など、ない。
いずれにせよ、JR各社にはより一層の安全対策を望みたい。
posted by 佐々木大悟 at 02:06| Comment(0) | TrackBack(1) | 実物の鉄道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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